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検証:擦過傷の治療


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左前腕に擦過傷を2箇所作成します。
 左側を従来の“消毒とガーゼ”で
 右側を“湿潤療法”で
治療してみます。もちろん抗生剤の塗布や服用はしません。

受傷直後

湿潤療法 (右側)

 今回は「水道水で洗って食用ラップで覆う」だけにしました。消毒や入浴制限などは一切しないことにします。夏井睦氏のHP「新しい創傷治療」 ではワセリンの併用を勧めていますが、今回は敢えて「湿潤にするだけ」にこだわってみました。「ワセリンが効いたんだ」などと言い出す人はいないとは思いますが。

消毒とガーゼ (左側)

 最初に生理食塩水で洗浄し、その後
イソジンで丁寧に消毒、滅菌ガーゼで覆います。一日一回イソジン消毒ガーゼ交換、また水濡れ厳禁とします。

ちなみに

治療翌日

治療2日目

 厳密に“消毒とガーゼ”の有害性を証明するためには、“消毒”と“ガーゼ”を別々にした検証も必要です。例えば、「消毒は有用だがガーゼの害が非常に強かった」という可能性もあるので。機会があればそれらの追証もしたいと思いますが、人為的に擦過傷を作るのはけっこう痛いので、今回はとりあえずこの辺でご容赦ください。 

治療開始

 入浴時は、消毒とガーゼ は防水テープで完全防水
        湿潤療法 はむき出しです。

 当然、傷口が水に濡れるととシミます。今回は「防水にする必要は全く無い」ことを強調するために、入浴時も“何も覆わない”ことにしましたが、一般的には何かで濡れにくくすることをお勧めします。

 やや大げさですが、仕事上の問題もあり、普段は包帯でグルグル巻きにして隠しています。

治療3日目

治療4日目

ちなみに

治療5日目

 乾燥湿潤 の対比がハッキリ出てい
ます。それにしても、イソジンの消毒は灼けるように痛い・・・。
 子供に「消毒ぐらいで泣かないの!」と言ってるお母さん、ホントーに痛いですよ・・・・。
 ただ、消毒している方は、その時を乗り切れば痛みはなく、何かの拍子にジワっと痛むのは意外と湿潤療法の方でした。やっぱり ワセリン塗っとくべきでしたかね。

 自分でやりながら、今日も明日もイソジン消毒するのかと思うと、気が滅入ります。それくらい痛い・・・。
 また、有毛部分では固定テープをはがすのも かなり痛く、毎日張り替える必要がないのも湿潤療法の大きなメリットだと感じました。
 今回は観察のために、どちらも毎日張り替えていますが。

 固定テープをはがす痛みもさることながら、キズに張り付いたガーゼをはがすのも毎日の苦行です。
 ソフラチュールや軟膏の使用も考えましたが、経験上たいして効果の無いことは知っていますし、何よりも実験中なのであきらめました。

 この頃になると、湿潤療法の方から異臭がします。はっきり言って生臭い悪臭です。湿潤療法の欠点ですが、鼻を近づけない限り、傍に立ったくらいでは分かりません。
 よく見ると、モラモラとした不純物も付着しており、慣れていないと「化膿したのでは!?」と思ってしまうかも知れません。

 唐突に、湿潤療法のキズにピンクの薄膜が張りました。一見治ったように見えますが、薄膜が弱々しいので、念のためもう一日治療を続けることにします。
 消毒している側は周囲からカサブタが出来てきました。

 湿潤療法の方はピンクの皮が張り、こ
れで処置終了とします。少しカブレてしまい、周囲が赤くなってしまいました。昨日で終了していた方が良かったのかも知れません。
 消毒とガーゼの方はカサブタの面積が増え、イソジン消毒時の痛みはだいぶマシになりました。

治療6日目

治療7日目

  夏井睦氏のホームページ
 「新しい創傷治療」(消毒とガーゼの撲滅を目指して)
       今回、参考にさせていただいたサイトです。→ こちら

 以前から気になっていた、外傷に対し「本当に消毒は治癒を遅らせるのか」「カサブタは出来ない方が良いのか」・・・。理論的には分かっていても、実際はどうなのか・・・。見落としている要素があるのではないか・・・。
 この度、擦過傷における“
消毒とガーゼ”“湿潤療法”の比較検証を行うことにしました。被験者は私自身です。

経過8日目

 湿潤療法側のカブレは、おさまりました。薄い薄いパリパリの膜が少しずつはがれて、下からしっかりとした皮膚が見えてきています。
 消毒とガーゼ側、大半がカサブタに覆われるようになり、ガーゼもほとんど張り付かなくなりました。

 消毒とガーゼ側、全面にわたり痂皮化(カサブタ化)し、処置終了とします。
 カサブタは無理に剥がさず、自然に落屑させることにして観察を続けます。

経過9日目

 なお、写真では四方をテープで止めて密閉していますが、特に密閉する必要はありません。今回は浸出液が少量で、これで外漏れしないので密閉しました。浸出液が多い場合は、ラップのテープ固定は適当にして、その上からガーゼなどをあてます。
 とにかく湿潤を保つことだけが目的。例えば、少々ラップが破れようが はがれようが、傷面が湿っていれば それでいいのです。

経過10日目

経過12日目

経過13日目

経過11日目

あとは単に、カサブタがはがれていくのを観察するだけになってしまいました。

経過14日目

経過3週目

 跡形もなく・・・とまではいきませんが、ほとんど目立たなくなりました。ちょうど2週間で切りもよいので毎日の観察は終了します。

経過4週目

 ここまで来れば「完治した」と言ってもよいのではないでしょうか。
 ただし、顔面外傷や、女性の場合は「外傷の痕跡が根絶した状態」を「完治」と称するべきかも知れません。
 せっかく経過を刻銘に記録しているので、「外傷があった痕が全く分からなくなるまで」観察を続けることにします。

経過5週目

6ヶ月以上経過しましたが、とれません・・・・・・
もしや、一生とれないのでは・・・・
擦り傷といえど、侮れませんねぇ。
「もういい加減やめたら?」と言われそうです。
私自身、ちょっと飽きてきました・・・・・

今回の検証で分かった「湿潤療法」が「消毒とガーゼ」に勝っている点は以下のとおりです。

【痛くない】
   これは大きい。非常に大きいです。実際に自分がやられて、文字通り “痛感”
  しました。
【早く治る】
   当然 これも大きいですよね。今回の検証では「湿潤療法」は4〜5日、「消毒と
  ガーゼ」は2〜3週間でした。
【安心・楽チン】
   「濡らしちゃダメ!」とか「毎日病院に来て消毒!」とか、ナンセンスな脅迫に縛
  られなくて済みます。
【やはり理にかなっている】
   これは前のページで紹介しました。患者さんにとっては さほど重要で無いかも
  知れません。しかし、
医者としては「なんとなく・・・」「みんなそうやってきたから
  ・・・」といった理由で医療行為を行うわけにはいかないのです。

 実は私自身、以前は毎日々々 イソジンで一生懸命丁寧に消毒し、過剰なまでのうやうやしさで滅菌ガーゼの交換をしていました。みんながそうしていたから、です。
 偉そうなことを言える立場ではありませんが、過ちに気づいた時点でそれを認めて直したという点では、少しはマシな医者かな、と自負しております。
 昔、毎日病院に呼びつけて消毒し、ガーゼを換え、不必要に痛い思いをさせ傷の治りを遅くしてしまった患者さんには本当に申し訳なく思っています。このページは、その罪滅ぼしの意味も込め、自分の身をもって啓蒙のために作成しました。命にかかわる問題ではありませんが、一日も早く間違った医療行為が根絶されることを願っています。

【なんとなく不安】
   「本当にこれでいいの?今まで熱心に消毒してたのは何だったの?」と言われる
  こともあります。「これでいいんです。今までが間違っていたんです」としか言いよう
  がありません。早く正しい治療が常識になるといいですね。
【臭う】
   人間の分泌物は押し並べていい臭いのするものではありません。むしろ傷口が
  無臭である方が不自然です。気になるようでしたら水道水で水洗いして下さい。
【病院が儲からない】
   毎日、なるべく長い間 通院していただいた方が病院の利益になります。
【理解していない医師もいる】
   同じ病院内でも医師同士で意見が違うこともあり、患者さんを混乱させてしまうこ
  とがあります。大げさですが、「湿潤療法」を理解していない医者は「勉強していな
  い」「自分の過ちを正せない」可能性があります。医者選びの一つの基準になるか
  も知れませんね。

今回の検証で分かった「湿潤療法」が「消毒とガーゼ」に劣っている点は以下のとおりです。

経過6週目

経過7週目

経過8週目

経過9週目

経過10週目

経過11週目

経過13週目

経過12週目

経過14週目

日焼けで黒く・・・・

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経過15週目

経過16週目

経過17週目

経過18週目

経過19週目

経過20週目

経過21週目

経過22週目

経過23週目

経過24週目

経過25週目

経過7ヶ月目

経過8ヶ月目

半年が経過し、毎週撮っても殆ど変化がないので、ついに1ヶ月おきになりました。
そのうち、1年おきになるかも・・・!?

経過9ヶ月目

経過10ヶ月目

検証:擦過傷の治療
   


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経過11ヶ月目

経過12ヶ月目

 以前の怪我を知っており、よほど目を凝らさないと判別できないくらいになりました。観察は続けますが、“完治”としておきましょう。

【「消毒とガーゼ」よりも「湿潤療法」の方が痛みなく早く治る。
  が、キレイに治るわけではない】

   ですので、たまに「○○病院で消毒されちゃったんだけど大丈夫ですかっ!?」
  と心配される方がおられますが、問題ないようです。
【擦り傷の跡形がなくなるのに1年以上かかる】
   30代男性で放置した場合です。色素沈着には日焼けの影響が大きいので、長
  袖や日焼け止めの使用など、紫外線を避けていれば、もう少しキレイに治せたか
  も知れません。年頃の女性など美容的に気になる方は、紫外線対策が重要かと
  思われます。どのくらいの期間、紫外線を避けるべきなのか、季節や年齢にもよ
  りますし明確な指標はありませんが、傷跡の状態を観察しつつ、2,3ヶ月くらいが
  妥当ではないでしょうか。

一年間にわたる観察で、以下のような結論を追加しました。